装いプロセス

2021年4月の本

【要約】

  • ダンスダンスダンスールを一気読み

  • 津村記久子さんの作品に出合ってこちらも一気読み(まだ途中)

ダンスダンスダンスール

バレエのトップを目指す人たちの、才能への考え方や向き合い方がたくさんでてくる中で、私が特に好きなのは50幕。”バレエ向きの体”でなくても地道に基礎を積み上げてきている寿が、基礎と教養を持っているからこそ鑑賞ができる様がサラッと描かれていてカッコいい。

あと「真のダンサーとは○○だ」というセリフに、M1王者として周囲に仕事をもたらしているマヂラブさんを思いだした。周囲に影響を与えてしまう存在、それが王者…

姿勢の作り方(息を吐ききったときのお腹の状態をキープし、お腹と背中で体挟む、肩は開く)を見てから姿勢が作りやすい。見事に生活に影響を受けている。

この世にたやすい仕事はない

私にとって仕事は生き甲斐ではないものの、仕事が人生と切り離せない生き方をしているので時折仕事について考える。どんな仕事がしてみたいかよりも給与や通勤・生活時間の条件面のが気になる質だが、とりあえずそこはクリアしたと仮定して、さて何がしたいんだろうなと考え出すと、いや、それは別に仕事じゃなくてもいいよなとどんどん脱線していく。

この小説では、求職中の登場人物が、紹介された仕事をとりあえず受けながら求職活動をしていく。でてくる仕事はどんな仕事か想像がつくのに初めて聞くような気がする、なんとも不思議な存在で、そこに登場人物の生活があるようなないような、生活の記録がある。

やりたいことは二度寝だけ

津村さんの日常の切り取り力がすごい。このあとに出版されたエッセイの『二度寝とは遠くにありて思うもの』が特に好みで、美術館鑑賞のトピック群をよんでから急に美術館に行きたくなっている。今まで展示に行くような習慣はないのに、それを読んだだけで、次から楽しめる気がするから不思議だ。

こちらの本には2009年5月の新型インフルエンザ流行下の文章がある(タイトル:会社員はカナリアか?)。インフルエンザの患者数が増える中、マスク在庫不足を報道するテレビ、その中でも通勤電車に乗る面々に手作りマスクの話題……書かれてから10年以上経ったエッセイを読んで、まさかこんなピンポイントにこの前の話かな?と思うとは思わず、これは自分ひとりの中にとどめておくなんて!と謎の勿体ない精神がでてきて、このブログを書いている。自分のなかにも書きたい、と思うことがあるんだなという発見があった。

そして無事に書き終えたので続きを読む。最新作の電子書籍化と既存の本を読みきるのとどちらが先になるだろう。